退職

職場に潜む新たなハラスメント? MBTI診断を悪用する『性格レッテル貼り』に要注意!

    プレゼンテーションをしている男性会社員と女性会社員のイラスト

    「MBTIハラスメント」とは、MBTI性格診断の結果をもとに他者を不当に評価したり、特定の性格タイプを理由に差別的な扱いをする行為である。最近、SNSを中心にこの概念が注目されている。MBTIは4つの要素で16の性格タイプに分類する性格診断だが、診断結果に基づいて「このタイプだから無責任だ」などと決めつけられる事例が増加している。特に職場では、MBTIの結果を理由に社員を評価し、配属や昇進に影響を与えるといった問題が見られる。

    日本MBTI協会は、MBTIが他者を制限する目的で使われることは本来の意図に反していると強調している。MBTIはあくまで自己理解を深めるためのツールであり、結果だけで人を判断することは推奨されない。さらに、ネット上で流通している無料診断やエンタメ的なMBTIコンテンツの多くは、正式な訓練を受けた専門家が提供するものではなく、信頼性に欠けることから、誤解や偏見を助長するリスクがある。

    職場でMBTIハラスメントを防ぐためには、次のような点に注意する必要がある。

    1. 診断結果に基づくレッテル貼りを避ける:「〇〇タイプだからこの業務には向いていない」「〇〇タイプだから協調性に欠ける」など、MBTIタイプを理由に特定の社員を排除したり否定的に評価することは、ハラスメントに該当する可能性がある。
    2. MBTI結果を採用や人事に直接使用しない:一部の企業で、MBTI診断結果を採用選考や配属決定に利用するケースが見受けられるが、これは非常に問題である。MBTIはあくまで自己理解のためのツールであり、業務能力や適性を判断するためのものではない。
    3. 無資格者による診断の使用を控える:正式なMBTI診断は、資格を持つ専門家が実施するものであり、ネット上で簡易に行われる無料診断とは異なる。無資格者による解釈は誤解を招き、トラブルの原因となるため、信頼性のない診断結果を鵜呑みにしないことが重要である。
    4. 教育と啓発を行う:職場でMBTIが話題になる場合、正しい理解と使用法について教育を行うことが重要である。特にMBTIをエンタメとして軽視せず、他者を尊重し、性格診断を不当な差別や攻撃の理由にしない姿勢を徹底する必要がある。

    日本MBTI協会は、MBTIをハラスメントに使うことは許されないと警告しており、正確で専門的な指導のもとで活用されるべきだとしている。職場では、MBTIを安易に使用せず、むしろ人間関係の理解を深めるためのツールとして、適切な文脈で利用することが求められる。

    参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/ee61e4b1204160f8b5d54a9ab58480e389e71c15